海へ行こう、リターンズ!【4】





「スノウがお騒がせしたみたいで、どうもすンませン」
再び人型になったかぼちゃんはすまなそうに頭を下げた。
「この子、大丈夫なの?氷の中に入ったままだけど…」
「大丈夫、大丈夫。コイツ自体が氷みたいなもンなンで」
「ならいいんだけど。やりすぎちゃったかなぁって思って」
てへ♪とかわゆく笑うシイラにデレデレとしたかぼちゃんだったが(かぼちゃんはシイラが超タイプだったりするのだ!)、ファルシエールから向けられる殺意の視線にコホンと咳払いをし氷をコンコンと叩いた。



「スノウ、そろそろ出て来いよ。オマエが謝ンないとダメだろ?それから、仕事じゃないンだから変化は解いておけよ」
「………」
暫く後、氷塊にヒビが入り……
「やん♪美少女☆」
肌と髪は純白、瞳と真一文字に結ばれた唇は深紅。
氷塊の中からは硝子細工のような美少女が出て来た。
この美少女が雪だるまの正体……のようだ。



「どうもすみませんでしたー」
憮然とした表情で棒読みの台詞。
元・雪だるまにはまるで反省の色がなかった。
「オマエ、その言い方はないンじゃないか?」
「元はといえばジャックが悪い。ジャックが約束を破らなければ、私も騒ぎを起こさなかったんダ」
「はぁ?俺?一体、何の約束だ?」
「………憶えてないのか?」
「オマエをこの世界に連れてくる約束なんてしてないしな」
「むむむ、みみみ………う、う、う、うぇぇぇぇ!!ジャックのぉぉうぅそぉつぅきぃぃぃぃっっくしゅ!いっくしゅ!いっくしゅん!!」
号泣からクシャミへ。
デ・ジャヴ。



「おいこら、かぼちゃヤロウ。女の子泣かせてんじゃないわよ」
「えぇぇ?!俺のせいナンすか?!」
女の子を泣かせる輩は敵!そして悪!!
メールディアの睨みは本日最高レベルに恐ろしかった。
「ど、どうしよう……この子を凍らせるのは何だか気がすすまないんだけど……」
元・雪だるまがクシャミをする度に周囲が凍結していく。
それを止めるには先ほどと同じ事をすればいいのだが、見た目が美少女になったというだけでどうにも躊躇われる。
シイラがどうするか迷っていると、トテテテテ……とルナソルが元・雪だるまに近づいていき、そして、



「よしよしです」



うずくまって号泣している元・雪だるまの頭をなでなでし始めた。



「ゆきだるましゃん、かなしいですか?かなしいのあっちいけです。よしよしです」
「る、ルナソル!!危ないからこっちに来ていなさい!」
「あぶなくないです。ゆきだるましゃん、かなしいからよしよししてあげないとかわいしょです」
アワアワとするファルシエールに首を振ると、ルナソルは「なでなで」を続けた。



「っくしゅん!えぐえぐ………っくしゅん!!」
「よしよしです」
「…………っくしゅん!」
「よしよしです。ゆきだるましゃん、かなしいのなくなりましたか?」
「ずび………アンタ、いい奴ダ」
鼻をスンスン鳴らし、涙を拭い、元・ゆきだるまはジッとルナソルの顔を見つめた。



「おろろ?まさか、きちまったか?」
かぼちゃんが首をひねると同時、元・雪だるまの美少女はルナソルの身体をムギュっと抱きしめ、ふくふくほっぺにキスをした。
「ほぇ??」
「アンタ、気に入った!私はスノウ。スノウ・ホワイト。アンタの名前は、何ていうんダ?」
「スノしゃんですね。ルーはるなしょるです」
「???」
「ルーは、る・な・しょ・る・です」
「分かった、るなしょるダな。憶えた、憶えた」
先ほどまでとは一転し、元・雪だるまは機嫌良くニコニコと笑った。







「話を戻すと、雪だるまさんはかぼちゃさんを探しにこの世界へ来た、って事なんだな」
「氷結を起こしていたのはクシャミが原因で、故意ではないのね?」
「そうダ。この世界に来てからやたらクシャミが出るんダ。迷惑をかけたのは申し訳なかった」
「普段はそンな事ないンすけど、変化中と感情が高ぶった時は抑えがきかないンすよ」
「なぁーるほど。それでそれで?元はといえばかぼちゃさんが雪だるまちゃんとの約束を破ったのが原因なんでしょう?」
メールディアの問いに元・雪だるま…スノウは力強くうなづいた。
「そうダ」
「だーかーらー、何の約束だよ?」
すっとぼけているでも何でもなく、かぼちゃんには本当に思い当たる節がないらしい。



「……今度の長期休暇、一緒に遊びに行くって言った」
「はぁ?ちが、違うぞ!今度、長期休暇になったら遊びに行こうって言ったンだ」
「違わないじゃないか、嘘つき」
「嘘ついたンじゃなくて、オマエが勘違いしたンだろ?」
「かぼちゃん、うしょはめーなのよ」
「そうだ。めーなんダ!!」
ルナソルの言葉に同意しながらスノウはアッカンベーと舌を出した。



「っつかさぁ、結局のところコイツらの痴話喧嘩に巻き込まれたって感じ?」
「………そうね。こんな美少女が彼女なんて、かぼちゃさん意外にやるじゃない」
「は?!彼女??違う、違いますって。スノウはガキの頃からつるんでるダチっす」
「またまた〜、恥ずかしがらなくてもいいのに〜」
「恥ずかしがるも何も……いや、この姿を見りゃそう思うか。残念ですけどスノウは女じゃないっす。オレは女の子が大好きな一般男子っす」
「スノしゃん、おんなのこじゃないですか?」
「ん?そうダ。女ではない。言わないと分からないか?」



真夏の太陽の下、その場だけブリザードが吹き荒れた。



「離れろぉぉおお!!今すぐルナソルから離れるんだ、くぉのけだむぉのがぁぁああ!!!」
「雪だるまちゃん、ルナちゃんとくっついてる姿は超目の保養なんだけど離れてくれるかしら?もう既に面倒な事になっているんだけど、更に面倒な事になるのはゴメンなのよ」
「嫌ダ。るなしょる気に入ったんダ」
「ひゃひゃひゃ!スノしゃん、くすぐったいですよ!」
ダメだと言われると逆な行動を取りたくなるものなのか。
スノウは更にルナソルと密着した。
「ぬぉぉおおお!!消炭じゅぁぁああ!!一欠片も残さず消炭にしてくれるわぁぁああ!!!」
「あーあ、暑苦しい。仕方ないなぁ、アース頼むよ」
「………分かりました」
ルナソルに近づいていくアースは平静を装ってはいるが、ぷくーーっと頬が膨れていた。
「どしたの、アース?ほっぺ、ぷっくーしてるよ」
「………いいの。ルー、融合しよう」
「あい」
1人状況を理解していないルナソルが呑気な声で返事をすると……



「アンタ、誰ダ?」
「…………白竜です。手を離して下さい」
辺りは強い銀色の光に包まれ、それが収まると銀髪の子供が紫水晶の瞳でスノウを睨みつけていた。
「何だか変わった奴ダな。」
「貴方に言われたくありません。どうでもいいから早く離して下さい」
「うーん?アンタはるなしょると違うけどくっついてるといい匂いするし気持ちいいな。だから離れない」
「うぐっ!離せっ!離せってばぁぁ!!」
「嫌ダ」
武道に精通している白竜ならば簡単に逃れられる少女(少年?)の細腕……のはずが、それ程力を入れられてないのにびくともしない。



「ありゃりゃ……結構やるなぁ、雪だるまさん」
「スノウは気に入った相手にはしつこいンす。でも、おっかしいなぁ?人見知りのアイツが他の世界の人にあンなに興味持つなンて初めてだ」
「初めてでも何でもいいからいい加減にしろーーって、ごめんねぇ、シイラ。大声出しちゃって」
「う、うん。えーと、ファルは私と一緒に大人しく状況を見守ろうね?ね?」
「う〜ん、もぅ、仕方ないなぁ♪」
発火装置ファルシエールは水着シイラをだっこする事で何とか爆発を押さえられていた。
シイラ天使、マジ天使である。



「私にくっつかれて嫌な顔する奴なんて初めてダ」
「な、馴れ馴れしくしないで下さい。言っておきますけどね……」
「何ダ?」
「ありゃ?もとにもどっちゃった!」
「ルーと一番の仲良しは僕なんだから!ベタベタするな、触るな、近づくなぁぁ!!」
再び強い銀色の光が発生し白竜は融合を解除した。
ルナソルをぎゅっと抱きしめスノウを睨みつけるアースは、我慢の限界がブチ切れてしまったようだ。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「きゃっ☆アースってば熱いわ、青春だわ☆心のアルバムに永久保存しなくっちゃ☆」
普段はのんびりぼんやりでクールな息子の稀少な行動にメールディアは嬉々としていた。
「あーうー、どうしよう。見てるこっちがドキドキしちゃうよ〜」
こういう状況を客観的に見る事の少ないシイラはハラハラドキドキだった。
自分にされている事はもっと凄まじいのに日常化していてマヒしているようだ。
「ふふふっ、羨ましいなら僕がいくらでもしてあげ……」
「るっさい。シイラは私に話してんのよ。ねぇ〜?」
「違います、僕に話しているんです。ねぇ〜?」
「あう……」
両側から同意を求められ独り言とは言いづらくなってるシイラが困った顔をすると、ファルシエールとメールディアは「オマエが困らせたんだ」とバチバチ火花を散らせた。



「ひょっとして………何がどうしてこんな事になってんだか理解できてないのは僕だけ?」
海水浴に来て、足を凍らされて溺れそうになって、現在問題を起こしている「お客さん」が見つかり、「お客さん」である雪だるまが美少女(女ではない)になってルナソルに懐いてしまい、アースが珍しくムキになって怒って、それを見たメールディア&シイラがトキメキ指数を上げ、現在はシイラを巡ってメールディア&ファルシエールが火花を散らしている……と。
海水浴でもなく、お客さん対応でもなく、カオス状態。
「大丈夫です。よく分かっていなくても最後は上手くまとまるので」
「あははははっ、ホリーも慣れてきちゃったかぁ」
「皆さんの事を信用してますから」
「うふふ」「あはは」と親しげに話す2人を見て折れそうな心をグッと堪えるプルート我慢の子。
「オマエ、普通の奴だけに大変なンだな…」
よその世界の住人にまですぐにポジションを理解されてしまう切ない子。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「アンタは何で怒っているんダ?」
「んとねぇ、アースはスノしゃんがルーにくっついたのがやーなんだって!」
「っ、ルー!言っちゃダメ!」
融合をすると2人の意識は1つになり、考えてる事がお互いにバレバレになってしまう。
故、アースのイライラムカムカの原因はダイレクトにルナソルに伝わってしまっていたのだ。
「だからねぇ、スノしゃん、ルーにくっついちゃめーです。アースがやーなのはルーもやーなのです」
「ルー……」
「………成程、ヤキモチというやつダな?」
「………そ、そうですけど」
ふむふむとスノウが頷くと、アースはカァッと赤くなって問いに答えた。



「正直ダ。アンタも気に入った!アンタの名前は何ダ?」
「え……と、アースですけど……」
「アース……るなしょるとアース……憶えた、憶えた……っくしゅん」
「またクシャミが出始めたな。酷くなる前に帰ろう」
「嫌ダ。私はまダこの世界で遊んで行くんダっっくしょん」
「仕事外で迷惑をかけ過ぎたら女王様に怒られンぞ」
「………それも嫌ダ。母上怒らせたら超ヤバイ」
ブルッと身体を震わせ、スノウは名残惜しそうに子供達から離れていった。







「この世界も雪が降るのか?」
「んとねぇ、しゃむくなったらゆきふるよ!」
「そうか。雪が降ったら遊びに来る。雪が降っていればクシャミ出ないから迷惑かけない」
「しょですか、じゃあ、ゆきふったらあしょぼう!ねぇ、アースもあしょぼうね?」
「うん……」
気の乗らない返事だったがそれでもスノウは嬉しそうだった。



「そうダ、そうダ、遊ぼう。ジャックも一緒に遊ぶんダ」
「はいはい。そんじゃあ皆さん、今度改めて菓子折り持って挨拶に来ますンで」
「またな」
おばけな2人はかぼちゃ頭と雪だるまに変化し、ふよふよと空へ飛んでいった。



謎の氷結事件【完】













「ちべたい!けど、きもちいいねぇ?」
「うん……」
「ルナソルもアースも泳ぐの上手になったねぇ。よーし、競争しよう!」



ウキ☆ウキ★海水浴、ようやくスタート。
子供達とシイラはキャッキャとはしゃぎながら楽しく泳ぎ始めていた。
「泳いでるシイラは生き生きしていてきゃわゆいなぁ〜♪」
「シイラが穢れるからエロい目で見ないでちょうだい。それから、早く執務室に帰って報告書を上げなさいね」
「えぇっ!?報告書なんて後でいいじゃないか!!」
「後で済む仕事なら、とっとと帰ってさっさとやりなさい。仕事をサボって私に迷惑かけてるってシイラにチクるわよ」
「あ、俺は手伝い終了ね。報告書なんて当然1人で出来るだろ〜?」
「うぐっ……直ぐに戻ってくるから!勝手に帰っちゃだめなんだからね!!」
きぃぃっと悔しそうな顔をしファルシエールは魔道院に戻って行った。



「ふっ……毎度ワンパターンでチョロ過ぎるわね」
「メーデのおかげで魔道院は上手い事まわってるよなぁ」
「バカと何とかは使いようなのよ」
「うん、それ、「何とか」って言ってる意味ないよな」
サイとメールディアは日陰でのほほんと冷たいお茶を飲みながら笑いあった。



「ほら、何とかなったでしょう?皆さん、流石です」
「は……はは……この世界って何が来ても守られる気がするよ……」
あながち間違ってはいない。
「さて、どうしましょうか。私達は泳ぎませんしねぇ」
「その事なんだけど」
「何ですか?」
「せっかく海に来たんだから浜辺で足をつけるくらいしようよ。さっきみたいなヘマはもうしないから」
プルート渾身の勇気に対してホリーは渋い顔だった。
それでもプルートは負けなかった。
水着ホリーと浜辺でキャッキャうふふする為には折れるわけにはいかないのだ。



「貴方、泳げないのに結構なチャレンジャーですね。まさか、ルナソルさんの近くに行きたいとかそういう不埒な……」
「………ホリー、行っておいでよ。このままじゃプルートくんが居た堪れないから」
「折角のお誘いだもの、万が一でも事故は起きないように見ていてあげるから行ってらっしゃいよ」
いつの間にか背後に来ていたサイとメールディアは、あたたか〜い眼差しでプルートを見守っていた。
切ない事に彼の頑張りに気付けていないのはホリーだけである。



「先生もメールディアさんもどうしたんですか?そわそわしているようですが……」
そこまで分かっていて肝心な事には何故気が付かないのか。
「まぁまぁ」
「まぁまぁ」
「………!!」
暫く眉を寄せて考えていたホリーは、ハッ!と何かを思いつきプルートの手首を握って言った。



「そうですね、それでは私達はちょっと浜辺で遊んで来ます。行きますよ、プルート」
「あ、うん。それじゃ、ちょっと失礼します」
ペコリと頭を下げプルートとホリーは海に向かって歩いて行った。
「………何か激しく思い違いをしているような気がしてならないのだけれど」
「ま、プルートくん頑張れって感じだな」
「ホリーさんってば普段はしっかりしているのに、プルートくんに対しては徹底したボケをかますものね。うふふっ、カワイイ♪」
「ははは……しかし、若者っていいねぇ。見守っている側も甘酸っぱい気持ちにさせてくれる」
「やぁねぇ、オッサンくさいわよ。実年齢はオッサンどころじゃないけど」
「………がぁーん」







「どうしたの、急に行く気になるなんて」
「………ふぅ、気が利かないですね。夫婦水入らずですよ」
「は、はぁ……ソウデスカ」
そんな気づかいは恐らく不要なのだが結果オーライにつきプルートは大人しく黙っていた。
「では、水に入ってみますか」
「おろ?やるとなると早いね」
「あの頃の私とは違います。よくよくかんがえたらやられたらそれなりのおしおきをしてしまえばいいのです」
「その話し方は平気に思えないんだけど……」
足元を見つめ棒読みに話す様は全然普通ではなかった。



「だいじょうぶです。女にはやらねばならないときがあるのです」
「そんなにガチガチにならないでもさ、ぼ、ぼぼくが守ってあげまする」
「は?」
噛んでる上に語尾がおかしい。
「ちゃんと守るってば。その為にちゃんと泳げるようにもなったんだから」
「誰がですか?」
「僕が」
「まさか、冗談でしょう」
「冗談じゃないよ。ちゃんと練習して泳げるようになったんだよ。さっき溺れたのは雪だるまのせいだって」
「だったら何故、今まで言わなかったのですか」
「誤解してるから何度も言おうとしたよ。だけどその度に何かしらタイミングが悪くて……」
「はぁ、そうでしたか」
ぽやんとした表情のホリーが何を考えているのかプルートにはよく分からなかった。
ひょっとしたら泳げない者同士だと思っていたのに抜け駆けされた!とプンプンかもしれない。
弟分のくせにナマイキ!と思っているのかもしれない。
そう考えるとちょっぴり悲しい気持ちになってきてしまった。



「あの、やっぱり……」
「そうでしたか。すごいじゃないですか、プルート」
「は、はい?」
「私は諦めてしまっていたけれど、貴方は努力したんですね」
「は、はぁ、いや、それほどでも」
「それなら私も頑張ってみます。あの時みたいに転びそうになったら、支えてくれますか?」
「当然だよ!!」



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「あの時」とは?


それは、ホリーとプルートが未だルナソルやアースくらいの年齢だった時のこと。
皆と一緒に川で遊んでいたホリーの足の指をウナギのような生き物がカプリと噛みつき、驚いたホリーが態勢を崩し、助けようと手を掴んだプルートも一緒に川の中にすっ転んでしまい、溺れたりはしなかったものの石に鼻をぶつけ鼻血放出、その後風邪までひいて散々な目にあい………ホリーは水で遊ぶ事に対して苦手意識を持ってしまった。
大した話ではないが、ホリーにとってみれば幼少時代1番のトラウマなのだ。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「あらあら、おふたりさんったらいい雰囲気かも
「おかしゃまどしたですか?むひゅひゅですよ」
「え?あ?いやいや、何でも?ないよ?」
「しょですか。あれ?ホリーしゃんとぷーしゃんもあしょんでます。ルーたちもいっしょにあしょびましょう!!」
「い、いやいや、私達はこっちで。こっちで遊んでいようね!今は邪魔になっちゃうから……」
「なんでじゃまですか?ぷーしゃんいっぱいあしょぼっていったらいいよっていいました」
確かにまぁそんな事を言っていたような気もするし、ルナソルに空気を読むというスキルがない為にどうにもならない。



「ルー、大人の事情ってやつだよ」
「おとなのじじょうってなぁに?」
「……大人になったら分かるよ。」
「しょなんだぁ。ルーもおとなはやくなりたいなぁ」
「(ありがとう、アース!!)」
親よりもルナソルの操縦に長けているアース。
今回もグッジョブである。







「ヤット分カッタ!!」
空中をふよふよ移動していた雪だるまは短い手をポンっと鳴らした。
「何ヲ?」
「白竜ノ不思議ナ感覚ノ理由。アイツモ性別ガナカッタカラダ」
「オマエ以外ニモイタンダナ。性別ガ無イナンテ奴……」
「ソッカ、ソッカ。同ジナンダ。成程、成程」



彼らは失念していた。
雪だるまの性別は女ではない=男であると勘違いされているということに。
「コノ世界ニ雪ガ降ルノガ楽シミダ。今度ハイッパイ遊ブンダ」
今度来た時、遊ぶより何よりも先ずは誤解を解かなければいけないという事に彼らは全く気が付いていないのであった。









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