※※からきました・1








1の月青の月の1日 早朝。



「………」
ふと目が覚めたシイラは、自分とファルシエールの間に寝ているはずのルナソルが居なくなっている事に気が付き、急いで辺りを見回した。
「……あそこだね」
起き上がったシイラの様子に気づいたファルシエールは、目を細めて部屋の1点にある怪しげな物体を指差した。



「あれ………???」
寝る前には無かった窓辺にある毛布の塊。
よく見ると中から銀色の髪がはみ出している。
どうやらルナソルは毛布を持って窓辺に居るようだ。



「ルナソル?」
「あいぃ」
小声で名前を呼ぶと、眠そうな何とも気のぬけた返事があった。
「此処は寒いからベッドに戻ろうね?」
「むぅ……おひしゃまでるまでいるの……」
「おひさま出るまで?どうして?お父さんとお母さんに教えてくれる?」
そっと毛布の中を覗くと、ルナソルは目を擦りながらシイラの問いに答えた。



「あたらしいとしのおひしゃまにおねがいするとかなうんだって」
門の世界では新年の日の出に1年の願い事をするという風習がある。
シイラは早起きが苦手なのでやったことはなかったし、ファルシエールは早起きだが願い事をする時間があるなら未だ眠っているシイラとルナソルの顔をじっくり観察していた方が数万倍いいのでやるはずがなかった。
「………あぁ、そうなのね?だったらお母さん達も一緒にお願いしてもいい?」
「あい」
「ね、ファルも一緒にお願いしよ?」
「うんっ!もちろん♪」
きゅん☆とお願いポーズを取られてしまったら……否、そんな事を抜きにしてシイラのお願いだったら何だって聞いてしまう単純男。
ササササッとベッドの上から羽根布団を運んでくると、ファルシエールはシイラとルナソルを抱きかかえて床に座った。



「おひしゃま……まだねむってるのねぇ……」
「そうだね。皆のお願いを叶えるために、力を蓄えているのかもしれないね」
「しょっかぁ。いっぱいねるといっぱいおっきくなるんだもんねぇ?」
会話が噛み合っていないが何となく意味は通じているようだ。
小声で会話をしながら3人は日の出を待っていた。



※ ※ ※ ※ ※




「おかしゃま、おとしゃま!!」
「うん、お日さまだね」
「さぁ、お願いをしてごらん」
うっすらと光が世界に広がっていく。
ルナソルはギュっと目を閉じてムニャムニャとお願いをし始めた。
何を願っているのか分からないが、その一生懸命さにシイラは思わず顔が綻んだ。
そして更にその様子を見てファルシエールは至福のオーラを醸し出した。



「お願いできた?」
窓から光が射しこみ始めた頃、ようやくルナソルはパチっと目を開け深く息を吐いた。
「あい、いっぱいおねがいしたよ。かなうかなぁ?」
「そうね、叶うといいね」
やる事をやって安心したのか頷きながらルナソルは大きな欠伸をした。



「未だ早いからシイラとルナソルはもう少し眠っておいで?」
「あい……」
シイラの腕にしがみついている身体はポカポカと温かい。
「それじゃあ、ベッドに戻りましょうか。ファルはもう起きるの?」
「いつものやつをやってくるよ。戻ってきたら起こしてあげるから安心して寝ていてね」
「ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えちゃうね」
シイラとルナソルがベッドに入るのを確認すると、ファルシエールは身支度を整え剣の稽古をしに部屋を出ていった。





その数分後。
既に眠っていたシイラとルナソルの身体が銀色の光に包まれ、信じられない事件が発生した。
だが、その時点では何が起きたのか気がつく者は誰もいないのであった……









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